高経年化研究センター材料グループ

材料の耐久性を研究する
原子力発電所で使用されている金属材料は、高温高圧水中での腐食や中性子照射により劣化します。そのため、長期的に発電所の安全性を確保するには、材料の劣化機構を解明する必要があります。
材料グループでは、原子力発電所の配管、構造物等の主要な構造材料であるニッケル基合金やステンレス鋼および低合金鋼などの金属について、実機材および模擬材を用いて機械試験、腐食試験を実施しています。2010年10月からは、関西電力が日本原子力研究開発機構 原子炉廃止措置研究開発センター内に整備した「高経年化分析室(ホットラボ)」を活用し、観察や分析を行っています。併せて材料の特性調査および数値解析によりき裂進展の評価を行うことで、高経年化に伴う構造材料の腐食や疲労、照射損傷などの機構の解明と経年劣化事象の進展予測に関する研究に取り組んでいます。
また原子力発電所の専門医的な役割を担い、実際に発生した機器、配管の損傷原因を調査しています。

腐食研究チーム
原子力発電所と同じ環境を模擬し、材料の腐食劣化機構について研究しています。
照射研究チーム
中性子による材料の照射劣化機構について研究しています。

腐食試験装置

き裂進展速度測定に使用するCT試験片




主な成果 – 書籍・冊子
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『原子炉容器鋼の照射組織変化』
(INSS/2001年) -
『PWR1次系環境下における600合金の応力腐食割れの発生と予測』
(INSS/2008年) -
『ステンレス鋼の軽水炉照射挙動』
(INSS/2009年) -
『PWR1次系環境でのステンレス鋼のSCC挙動』
(INSS/2012年) -
『Mechanisms of Material Degradation and Non-Destructive Evaluation in Light Water Reactors』
(INSS/2002年)