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信頼の意味と構造
――信頼とコミットメント関係に関する理論的・実証的研究――
Significance and the Structure of Trust
Theoretical and Empirical Research on Trust and Commitment Relations

山岸 俊男 (Toshio Yamagishi) 小見山 尚 (Hisashi Komiyama)

要約
 本論文は,山岸らによる信頼の「解放」理論に基づいて行われた,一連の実験室実験と,日米比較質問紙調査の報告である.山岸の信頼理論は,信頼が「やくざ型」のコミットメント関係から人々を解放する役割を果たすことを強調している点で,他の主要な信頼についての理論と異なっている.やくざ型のコミットメント関係は,親密な関係にある友人間などによくみられる,もう一つのタイプ,すなわち「恋人型」のコミットメント関係からは区別されるものであり,その存在理由は,社会的不確実性の低減にある.山岸による信頼の「解放」理論は,以下の6つの理論命題から成り立っている.(1)信頼は社会的不確実性の存在している状況でしか意味をもたない.(2)社会的不確実性によって生じる問題に対処するために人々のとる最も一般的な方法はコミットメント関係の形成,すなわち,特定の相手との間の安定した長期的な関係の形成である.(3)コミットメント関係は,特定の相手との関係における社会的不確実性を低下させるが,関係の外部から得られるかもしれない利益を失うことにつながる.すなわち,コミットメント関係は機会コストを伴う.(4)従って,機会コストが大きな状況では,コミットメント関係にとどまらない方が有利である.(5)他者一般に対する信頼感の高い人々は信頼感の低い人々にくらべ,容易にやくざ型のコミットメント関係から離脱することができる.(6)社会的不確実性と機会コストがともに高い社会的状況においては,高信頼者は低信頼者よりも外部の機会への接触が容易であり,従って,より大きな利益を得る可能性がある.これら6つの理論命題のうち,命題1と3は自明であり,命題4は理論の適用条件を示すものである.従って,実証研究により検証される必要のある命題は,命題2,5,および6である.このうちの命題2と5は,一連の実験室実験により支持された.残りの第6命題は,今回の実験研究では直接検証にかけられていない.最後に,日本とアメリカで行われた質問紙調査によって,山岸の理論から導き出された,日米差に関する一連の仮説が検討され,すべての仮説が調査結果により支持された.具体的には,以下の結果が得られた.(1)アメリカ人の方が日本人よりも一般的信頼の水準が高い.(2)日本人の方がアメリカ人よりも,特定の相手との関係を維持することで利益が得られると考える傾向が強い.(3)日本人よりもアメリカ人の方が,評判の情報としての価値を重要だと考えている.(4)アメリカ人の方が日本人よりも,正直さと公平さを重要だと考える傾向が強い.


この論文は、下記よりPDFファイルにて全文ご覧いただくことができます。

JOURNAL No.2 P1

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